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WBC世界一!栗山監督の著書『栗山ノート』

緊急重版!『栗山ノート』には、栗山英樹という生き方のすべてが綴られている

名将はなぜ、常識を覆し感動を呼ぶ采配を振るえるのか――。
14年ぶりの王座奪還を果たしたWBC侍ジャパンの栗山英樹監督には、小学生の頃から書き続けている「野球ノート」がある。日々の戦績、プレーの細かな振り返りに加え、監督として人間としての“哲学”が書き込まれている。
球界きっての読書家としても知られている栗山監督。ジャンルは、経営者や企業家の言葉にのみならず、小説、古典にまでおよぶ。そして読んで気になった言葉は、その都度ノートに書きとめ、思いや考えをまとめているのだという。
どのような言葉に刺激を受け、どのような考えのもと、どのように指揮をとってきたのか。
『論語』『書経』『易経』……先人に学び勝敗の理由を考え抜いた先に綴った、組織づくりの要諦。
この門外不出のノートを、書籍としてまとめたものが『栗山ノート』である。

『栗山ノート』ダイジェスト

本文より一部抜粋

「はじめに」より

いまこの瞬間ではなく、5年後でも、10年後でもなく、50年後にどう評価されるのかを意識して、私は監督という仕事に務めています。歴史上の人物にしても、必ずしも存命中に評価されたわけではありません。それでも、自分が生きる小さな世界を、自分が生きる国を、もっと言えば世界を豊かにするために、泥臭く汗をかいて、勇気と知恵を振り絞って、人生の炎を燃やし続けた。挫折を力に変え、敗北からパワーを得た。
私も自分が前に進むために本を開き、そしてこの本を書いていきます。一つひとつの文字をしっかりと頭に染み込ませ、私自身の熱意を吹き込みます。
この本が皆さんの役に立つのかどうかは、私が判断することではないのだ、という信念のもとで。

序章より

それにしても私は、なぜノートを書くのか。
『論語』に「性は相近し、習えば相遠し」との教えがあります。人の性質は生まれたときにはあまり差はないけれど、その後の習慣や教育によって次第に差が大きくなる、という意味です。学びには終わりはなく、学び続けなければ成長はありません。成長とは自分が気持ちよく過ごすため、物欲や支配欲を満たすためなどでなく、自分の周りの人たちの笑顔を少しでも増やせるようにすることだと思うのです。
その日の試合や人との触れ合いから何を感じ、どんな行動を取ったのか。それは、私たちの道しるべとなる先人たちの言葉に沿うものなのか。1日だけでなく2日、3日、10日と反省を積み重ねることで、自分を成長させていきたい。
私は弱い人間です。子どものころは次男坊のわがまま少年で、野球を始めたのは「我慢を覚えさせるためだった」と父に言われました。
大人になったいまも、「今日はこれができなかったから、明日はこうしよう」と心に留めておくだけでは実行に移せません。忙しいとか時間がないといったことを言い訳にして、つい自分を甘やかしてしまう。そうならないために、ノートに書いて一日を振り返り、読み返してまた反省をするようにしています。
ノートに自分の思いを書く行為は、周りの人たちとどのように接したのかを客観視することになります。

本文より #01

私が気を付けているのは、相手の話を聞くことです。
話を聞くということは、相手の思いに触れることです。選手の話はできるだけ聞くようにします。聞き手にならなければ、相手の悩みや苦しみに近づくことはできません。
私に悩みを打ち明けたからといって、選手の心が晴れるわけではない。野球のことならともかく、家族、家庭、友人関係の悩みなどは、できることが限られます。何もできないかもしれない。それでも、話を聞いてもらうことで気持ちが落ち着いたり、心の重荷をほんの少し下ろしたりすることにはつながります。私自身が話すことで救われる経験をしてきたこともあり、胸のつかえを吐き出すことで新たな一歩を踏み出すことができるのではないだろうか、という気がします。
たくさんの時間を費やして相手の話を聞いても、本心に辿り着けないことがあります。ファイターズの選手たちであれば、監督には言いにくいこともある。他でもない私自身も、現役当時は監督に本音を明かすことに抵抗を覚えたものでした。
聞き手によって言うことが違う、ということもあります。たとえば、私に「ケガはしていません」と話した選手が、コーチには「ちょっと痛みがあって」とこぼし、トレーナーには「かなり痛いです」と明かす、といったことです。
選手心理としては理解できます。試合は休みたくない。けれど、痛みを抱えていることは誰かに知っておいてほしいわけです。「なぜオレにホントのことを言わない」などと言うわけにはいきませんから、各方面から選手の声をすくい上げて対応します。
親と子どもほど年齢の離れた選手も増えていますが、それによって話しづらいとは感じていません。
共通の話題は見つけにくいですし、好きな芸能人とかテレビ番組で盛り上がるのも難しい。ただ、年齢に関係なく話しやすい人はいます。そういう雰囲気を持ちたい。監督という肩書はそもそも選手を威圧してしまうので、難しいところはありますが……いつでも、誰とでも話ができるような準備はしています。
2015年シーズンのある試合後に、私の部屋を訪ねてきた選手がいました。監督の部屋へ来るということは、精神的にかなり追い詰められていると想像できます。
翌日から私は、試合のあった夜はお酒を控えることにしました。監督が赤ら顔で部屋のドアを開けたら、選手「すみません、また今度来ます」と引き下がるでしょう。
勇気を振り絞ってきたに違いない選手の思いを、踏みにじるようなことがあってはならない。デーゲームでもナイターでも、試合日はお酒を飲まず、外出もせず、部屋にいることにしようと決めました。
話をする立場になったら、言葉を少なくするように意識します。言葉を尽くして思いを伝えようとすると、結局は伝わりにくい。言葉が多いぶんだけ理解がすれ違ったり、言葉が上滑りしたりすることがあります。
究極的に言えば、信念を持って生きていれば、言葉はなくても選手たちはくみ取ってくれる。余計な言葉はいらないはずです。

本文より #02

筋肉系のケガなどは突発性の事故もありますが、我々コーチングスタッフが注意していれば防げるものはあります。練習の組みかたや緊張感の持たせかたが違えば起こらなかったケガはあり、そこには多くのケースで「予兆」がある。そう考えるとケガ人が出てしまうのは監督の責任です。
選手本人の準備不足だ、と言うのは簡単です。けれど、ケガをしたいと思っている選手など、いるはずがありません。一軍で活躍するために、彼らは日々努力をしているのです。
うまくいかないことがあったら、自分に矢印を向けてその原因を探る。他人に押し付けるよりも、そのほうが気持ちはスッキリします。原因が明らかになれば、「明日からもっと頑張ろう」というエネルギーが湧いてきます。

本文より #03

私心が入り込んできた瞬間に、人は誠を尽くせなくなります。自分がやりやすいように、自分が楽になるように、という理由を優先したら、相手の感情や都合を脇へ置いてしまうことになる。誠になっていません。
誠を尽くしていると、勘が働きます。変化に鋭敏になる、と言ってもいい。

本文より #04

若い選手とのやりとりでも、上から目線の言葉は使いません。連絡を受けた際の返信は「了解」ではなく「了解しました」とか「了解です」とします。相手に使ってほしい言い回しを、まず自分が使うようにしています。

本文より #05

コーチにはそれぞれに考えかたがあり、コーチを任命したのは他でもない私です。
ならば、彼らを信頼して任せるべきでしょう。私がやるべきなのは口を出すことではなく、コーチの話をしっかりと聞き入れ、それでいいのかどうかを判断することなのです。
コーチ陣にはいつも、「僕より野球をよく知っているから、ここで仕事をしてもらっているのだよ」と伝えています。自分を卑下しているわけではなく、彼らを持ち上げているわけでもなく、客観的な事実としてそう考えています。コーチの意見を聞くことに、ためらいはありません。
だからといって、コーチに任せきりにはしません。最終的な判断を下し、その裏付けとして勉強を重ねます。ただ、取り入れた知識をそのまま自分のものにするのではなく、「こういう考え方もある」というレベルでとどめておきます。

著者プロフィール

栗山英樹(くりやま・ひでき)

1961年生まれ。東京都出身。創価高校、東京学芸大学を経て、1984年にドラフト外で内野手としてヤクルト・スワローズに入団。1年目で1軍デビューを果たす。俊足巧打の外野手で、89年にはゴールデングラブ賞を獲得。1990年のシーズン終了後、怪我や病気が重なり引退。引退後は解説者、スポーツジャーナリストとして野球のみならずスポーツ全般の魅力を伝えると同時に、白鴎大学の教授として教鞭を執るなど多岐にわたって活躍。2011年11月、北海道日本ハムファイターズの監督に就任。同年、監督1年目でパ・リーグ制覇。2016年には2度目のリーグ制覇、そして日本一に輝き、正力松太郎賞を受賞。2019年時点の監督で最長の就任8年目を迎え、同年5月、監督として球団歴代2位の通算527勝を達成。2021年、北海道日本ハムファイターズ監督を退任。2022年、侍ジャパン監督に就任。


『栗山ノート』書誌情報

  • 書名:栗山ノート
  • 著者:栗山英樹
  • 発売日:2019年10月17日
  • 定価:1,430円(税込)
  • 発行:光文社
    初版15,000部 4刷累計50,000部(4刷22,000部は4/6出来予定)

AMAZON:https://amzn.asia/d/dKPp5O8

出典:PR TIMES
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001532.000021468.html
  • 記事を書いたライター
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Daiki

Daiki

Chief Editor

高橋 乃希 / Webディレクターとして、数多くのサイトやWebメディアの制作・運用を経験。スポーツシーン・キャンプ・アウトドアへの関りも深く、「&FLOW」の編集長に抜擢。★ 野球、格闘技、ゴルフ、ランニング、自転車

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