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[連載コラム] 女子格闘家たちが戦う理由とは…「I vs I」 #006 V.V.Mei

連載コラム『I vs I 〜女子格闘家たちが戦う理由とは…〜』は、THE OUTSIDERの選手が出演するドキュメンタリー映画『タイトロープ』を始め、多数の格闘家の撮影を手掛けているフォトグラファー・藤原佐知子が注目する女子格闘家をセレクトし撮影、紹介する企画。

6回目に登場するのは、元DEEP JEWELS女子アトム級王者、元VALKYRIEフェザー級王者のV.V.Mei。12月24日(日) 横浜武道館で開催されるパンクラス340「30周年記念大会 Vol.2」にてアトム級王座決定トーナメントに挑む彼女にフォーカス。

小学校時代にLAで空手を習い始めたキッカケは、ジャッキー・チェンへの憧れからと聞いています。ジャッキー・チェンのどこに惹かれたのか?

映画のアクションがカッコいいだけでなく、常にユーモアがあって、笑わせてくれるところに魅力を感じました。

日本帰国後は、部活でソフトボール部に所属しつつ、伝統派空手を続けた理由

ただただ、武道が好きだったからです。そして、当時お世話になっていた国際玄制流空手道連盟武徳会の故土佐邦彦宗家を尊敬していました。宗家はどんな人でも道場に迎えて居場所を作り、生きる上での大切な事を教えて下さいました。

大学で再び海外へ渡ると、今度はブラジリアン柔術やMMAをスタート。そのキッカケは?

空手の出稽古先でたまたまブラジリアン柔術の技を教えてもらったことがきっかけで柔術にハマりました。そこからレスリングやMMAも始めましたが、プロになるつもりは一切なかったです。
当時はブラジリアン柔術で世界一になることが目標でした。

格闘家として憧れ・目標とする人は?一人の女性として憧れる人は?

憧れというか、好きな格闘家はマイク・タイソンです。フォルムが似ているのでファイトスタイルを真似したいと思っています(笑)。
女性として憧れるのはハル・ベリー。カッコいいから。それと60代や70代で白髪をオシャレに楽しんでる方です。自分もカッコ可愛いい、オシャレなお婆ちゃんになるのが目標です。

自分のファイトスタイル、目指すスタイルは?自分の強みは?

オールラウンドでテクニカルだけど、気持ちの伝わる闘いをするのが目標です。冷静に熱いスタイル。強みはディフェンスの精度だと思います。

格闘技の魅力、格闘技にのめり込む理由

子供の頃からスポーツ全般が好きで、何かの競技を極めてみたいと思っていました。そんな中、自分の性格と取っ組み合いうという運動の種類が自分に合っていた。それが総合格闘技だったので自然に続けられたんだと思います。のめり込むというよりは、色々と工夫しながら取り組んでいたら今の自分がいた、という感じです。
リングの上で闘えるのは、誰にでもできることではありません。だからこそ、自分の全てを曝け出し、闘いの中で表現しています。観てる人が、戦っている選手たちに自分のことを重ね、心を動かされるのが格闘技特有の魅力だと思います。

格闘技を続けている中で、一番ツライことは?

試合が近いと他のイベントなどをスルーしないといけないことがあったり、長年の怪我などで関節が痛いです(笑)。

自分との戦いに挑み続けられるモチベーションは?

9歳のときに母親を亡くしました。天国で母親と再会する時は、最高にいい顔をしていたいので、明日は今日の自分よりもハッピーでいるべきだと。そのモットーを忘れなければ、モチベーションが下がることはないし、自分に挑戦し続けられると思っています。

ONE参戦の経験も持つ世界の格闘技シーンに触れているV.V.Mei選手から見た、日本の女子格闘技界の今はどのように見えているか?

近年は日本の女子格闘技のレベルがどんどん上がっていて、今後にとても期待できると思います。試合以外でも積極的に海外に出て、外国人と練習したりコミュニケーションが取れたら世界が広がって、更に楽しいと思います!

格闘家としての活動以外に、リングアナや健康経営アドバイザーの一面も。その理由は?

引退後のことを考えている部分もありますが、とにかく色々なことをするのが好きです。多趣味なので練習以外はゴスペルや津軽三味線などの音楽を楽しんだり、ゴルフをしたりしますし、格闘技以外のことからヒントを得て。格闘技に活かすことの方が多いかもしれません。

12月24日(日) 横浜武道館で開催されるパンクラス340「30周年記念大会02」でのアトム級王座決定トーナメントへの想いを

このベルトは絶対に獲らないといけないです。負けたら引退と決めているので、100%悔いのないよう挑みます。応援宜しくお願いします!

Profile

V.V.Mei / ヴィー・ヴィー・メイ (フリー)

  • 元DEEP JEWELS女子アトム級王者
  • 元VALKYRIEフェザー級王者

37戦21勝15敗1分 (2023年12月時点) / 1983年2月3日生まれ、東京都出身 / 153cm・44.0kg
https://www.instagram.com/v.vmeimma/

幼少の頃にジャッキー・チェンに憧れ、小学校時代を過ごしたアメリカ・ロサゼルスで出会った空手を習い始める。日本帰国後は伝統派の国際玄制流空手道連盟武徳会で空手を続ける。中学・高校はソフトボール部で活躍し、大学進学時に再び渡米しブラジリアン柔術を始めるとMMAの練習もするようになる。日本に帰国後の07年3月に開催されたSMACKGIRLライト級トーナメント1回戦で齋藤安奈相手にプロデビューを果たし、1Rにチョークスリーパーで一本勝ちを飾る。5月の準決勝では石岡沙織に2R膝十字固めを極めると、決勝戦で富松恵美に判定勝利を挙げ、優勝をする。しかし12月の藤野恵実戦では僅差で敗れてしまい、SMACK GIRL活動停止後の08年11月に旗揚げしたVALKYRIEに戦いの舞台を移した。その大会のメインで当時12連勝をしていたSMACK GIRLライト級王者の辻結花の相手に抜擢され、判定で敗れるもファンや関係者からの評価は高かった。その後、藤野恵実、辻結花にリベンジすると、11年4月にPANCRASEに参戦し、WINDY智美、ベティコを破り一つの引き分けを挟み5連勝を挙げる。11年からはJEWELSに参戦すると藤井惠や浜崎朱加、長野美香らと鎬を削り、15年2月から開催されたDEEP JEWELSフェザー級GPでMIYOKO、黒部三奈を下し、決勝戦でSARAMIをパウンドで下し優勝を果たすと同時に第3代王者に輝いた。16年からはONE Championshipに参戦し、アンジェラ・リーら強豪とも対戦してきた。アンジェラとの試合は、この年のONE年間ベストバウトに選ばれた。約4年振りの日本での試合となった23年4月のRIZIN LANDMARK 5で浅倉カンナと対戦するも判定0-3で敗戦を喫した。

V.V.Mei 大会出場情報
「パンクラス340」
日程:2023年12月24日(日) / 会場:横浜武道館
https://www.pancrase.co.jp/tour/2023/pancrase340/index.html

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  • Art Direction / Kazuma Higuchi (Comprime)
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Creative Director

松下和裕 / 横浜生まれ・鎌倉在住。長年、ストリートからハイエンドファッション、ライフスタイル、ビーチカルチャーまで様々な雑誌の編集長・副編集長を務める。現在は、Web&動画も含めた幅広いコンテンツを手がける。趣味は、サーフィン・アメ車・革ジャン・音楽・ワンコ。

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