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お客様の声から生まれた、大切に履き続けるためのスニーカー「みんなのマイキー」

株式会社BATON

株式会社BATONが展開するスニーカーブランドblueover(ブルーオーバー)は国内の靴製造を継続させるために、いまの時代に適応したモノヅクリを目指している。それはスニーカーの持つファッション性や機能性での適応だけではなく、社会環境としても適応していくこと。
そんなブルーオーバーがブランド設立10周年を記念して生まれた企画が「みんなのマイキー」。このモデルはブランド定番モデルmikey(マイキー)をベースに作られている。

マイキーはブランドが設立された2011年から今も姿を変えず販売され続けている定番モデル。アッパーが一枚革で構成されており、必要最小限の意匠を加えながらもスニーカーらしさの残るデザインは、民藝思想に見られる美意識と、その価値に影響されたデザイナーが、舶来品であるスニーカーが、もし日本で生み出された場合どんなものであったかを想像されて生み出されたモデルとなっている。

左が「みんなのマイキー」右が「マイキー」

このマイキーの製法は一般的なスニーカーの製造方法であるセメンテッド製法で作られている。セメンテッド製法というのは、アッパーとソールの張り合わせの方法を接着剤で接着して靴を作りあげる製法。この製法は生産性が高く、現在ではほとんどのスニーカーに採用されいる。
半面この製法はアッパーとソールを接着剤で張り合わせているので、ソールが摩耗してすり減っていくとソールの交換が出来ず、破棄しなければならない。厳密にいうと交換ができないわけではなく、交換する過程でアッパーとソールをはがすときにアッパーが傷つき、靴自体が壊れることがあるというリスクがあるということだ。

しかし私達がこれまでマイキーを販売し続けていく中、お客様からソールの交換を要望されることがあり、そのたびにお断りをしていた。(中には破損リスクを説明し承諾の上、交換したこともある)
そうした経験が重なったことから、10周年という節目にあたり、私達はブランド設立から続く定番モデルであるマイキーにお客様の声で多かった「ソール交換可能」な仕様を作ろうとなった。

ソール交換が可能なスニーカーとは

この仕様をブルーオーバーで実現する時に、最も重要な点は、ソール交換時において、アッパーの破損リスクがないものであること。さらにスニーカーとして現実的な価格での提供ができることが条件とした。それらを考えた結果、セメンテッド製法を止め、マッケイ製法によるスニーカーを生みだしてはどうかという答えに行きつく。
マッケイ製法というのはアッパーの下にシート状の板を当て、アッパーと縫い合わせることを指す。この製法は一般的に紳士靴で用いられることが多く、板材は革等を使用しそのまま底材となることもある。私達はこのマッケイ製法でマイキーのアッパーを板(この場合は「アイナカ」と呼ぶ)と縫い合わせ、そこからさらにソールを張り合わせる設計とした。そうすることでソールが削れても、「アイナカ」が残る限りは何度もソールを交換することが可能となる。

だが、そのまま板の下にソールを張り合わせると紳士靴のような佇まいに見え、スニーカーらしさが損なわれることとなる。そこで何度も試作を重ねた結果、「アイナカ」を縫い合わせる位置、ソールのつま先側のディティールを検証すると、見た目はスニーカーらしさのあるデザインへと作りあげることが出来た。

しかしマッケイ製法はセメンテッド製法に比べ、生産性も悪く、コストも高くなってしまう。それゆえに、スニーカーでは採用されていないのだ。また、一般的にスニーカーは消耗品として認知されている為、ソール交換が「出来る」という考え方はない。量産品の観点からみても、ソール交換は非効率な作業となってしまう。
しかし、我々はお客様からの要望、そしてサスティナブルの面からも廃棄するという選択肢を選ばなかった。それは、ブルーオーバーの靴には長く履き続けることを大事とするブランド理念があるからだ。その背景から、ソールが交換できるスニーカーは必要だと決意、「みんなのマイキー」を作り上げた。革靴やブーツのように「履きこむ、なじむ、育てる」といった、手沢を重ね、味わえるようなスニーカーを作り上げたいと我々は考えている。

日本人の為に、日本で作るスニーカー

みんなのマイキーで使われているラスト(靴を成型するための足型、履き心地を左右する大事な要素)は日本人の足の形に合わせた設計をしている。10年に渡って店舗でスニーカーを販売し見えてきたことは、今の日本人は過去から常識とされた「幅広甲高」の足の形はあくまで過去であり、現代では「幅広であるが、甲は普通の高さ」であるということ。
そしてブルーオーバーが作りあげたラストは「幅広甲中」で設計されている。そして「立つ、歩く」動作をするときに快適であるために、前足部分はゆったりと、甲と踵はしっかりホールドするという考えで靴を作り続けてきた。blueoverは日本人の為に、日本で作りあげています。

大切にはいてほしいクラフトスニーカー

ブルーオーバーは10年続けているスニーカーブランドだが、大規模の工場では生産せず、地域の工場で昔ながらの製造方法で少量生産を行っている。手掛けてきたスニーカーはすべて人の手によって作り続けられてきた。しかし、これからの10年は国内製造業の抱える課題が表面化していくだろう。
ブルーオーバーはその解決に向けて、持続可能な製靴産業の体制を見つけていくことを目標に活動していきます。「みんなのマイキー」は名前のとおり、つくる人、つかう人、考える人。みんなで作り上げた一足であり、これからのブランドの目指すメッセージでもあると考えています。

みんなのマイキー

価格:27,500円(税込)
素材:ベロア
サイズ:22.5cm/23.5cm/24.5cm/25.5cm/26.5cm/27.5cm/28.5cm
色展開:4色(トープ/ブラック/ネイビー/キャメル)
製品ページ:https://blueover.jp/products/minnano_mikey
※8月上旬入荷予定

blueover ブルーオーバー

2011年スタート。プロダクトデザイナーであった渡利ヒトシが、国内製造業の社会的課題において、国内の蓄積されたモノヅクリ技術の消失を防ぐため、そこに宿る精神的豊かさをつなぐため活動しているスニーカーブランド。地域のクラフトマンに敬意を表し、素材、加工、製造工程をできるかぎり国内で行っている。
突出した機能を持ったスニーカーではなく、日本人の足の形を考えた靴の形をしています。そして「立位」「歩行」といった動作に対して、快適に着用できて疲れないよう、前足部はゆったり、甲と踵はしっかりと固定する設計にしています。そして長く履けるよう「シンプルで丈夫」なデザインと素材を選んでいます。
当たり前に歩きやすく、履きやすいことを大事とし、時代を問わず履き続けられるような靴を作りつづけています。

出典:PR TIMES STORY
https://prtimes.jp/story/detail/rE66dVhLNLb
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Sudo

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Producer

須藤大輔 /「&FLOW」プロデューサーでありアジテーター。広告代理店や制作会社でAEとしてキャリアを積んで約四半世紀。主にファッションやスポーツ関連のクライアントを担当。アウトドアシーンにも造詣が深い。週末はラグビー三昧。ラン、ヨガ、トレーニングも。好きな言葉は「失ったものを数えるな、残されたものを最大限活かせ」。チャームポイントは涙腺が弱いところ。

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